高速バスでわいせつ行為を行った男に裁判官のお説教

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東京から富山県内に向かう夜行高速バスの車内で、隣席の女性の体を5時間に渡って触るなどのわいせつ行為を繰り返し、強制わいせつの罪に問われた25歳の男に対する判決公判が13日、富山地裁高岡支部で開かれた。

裁判所は被告の男に対し、懲役2年(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡した。

この事件は昨年7月13日の未明に発生している。東京(池袋)発氷見行きの夜行高速バスに乗車20歳の女性が、隣席の男から胸などを触られていることに気づいた。女性は肘で男の腕をはねのけるなどして拒否したが、男はそれを無視するように5時間に渡って女性の体を触り続けた。

女性は恐怖感から運転手に被害を届け出ることができず、昨年9月になってから警察に被害を届け出た。警察では乗客名簿から、25歳の男が犯行に関与したことは確実として同10月に強制わいせつ容疑で逮捕していた。

13日に行われた判決公判で、富山地裁高岡支部の中牟田博章裁判官は、この事件以後に2度の同様犯罪を繰り返し、常習性があることを指摘。その上で「被害者の恐怖感や屈辱感は察するに余りある」として、懲役2年(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡した。

裁判官は判決後、被告に対して「貴方が考えている以上に、体を触られた被害者は傷ついている。裁判が終わったことで事件も終わりと簡単に考えてもらっては困る。本件の責任の重さを、今後の人生で背負っていかなければならない」と注意。

これに対して被告はおとなしく聞き入っていたという。

今回の事件が起きた夜行高速バスは、2人掛けタイプのシートが装備されており、窓側の座席に女性が座ってしまった場合、逃げることが難しい構造にある。

このため、バスの運行会社では予約時の性別チェックを事件発覚以後は厳密に行い、男女の分離を進めるという具体的対策を実施している。

《石田真一》

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