巨大鋼板の無許可輸送は会社ぐるみ

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大阪府警は11日、日本通運が積載制限を超える鋼板を警察や道路管理者の許可を取らずに輸送していたとして、運転手に輸送を命じていた元の堺支店長や運転手など16人と、法人としての日本通運を道路交通法違反(過積載下命)で書類送検した。

大阪府警・交通捜査課、同・此花署の調べによると、日本通運が無許可で過積載輸送を行っていたことが発覚したのは、今年5月中旬に起きた交通事故が発端だった。

5月19日の午前4時35分ごろ、大阪市此花区伝法4丁目付近の国道43号線で、走行中の同社のトラックが運転を誤って道路左側の防音壁に接触するという事故を起こした。

この際、トラックに搭載していた鋼板3枚が約12m渡って防音壁の一部を切り裂くようにして破壊。壁の一部は10m下の市道に落下するなどの被害を出した。トラックの車幅は2.5mだったが、鋼板の幅は3.9mで大幅にオーバー。後の調べでこのトラックが警察や道路管理者には無許可で輸送していることもわかった。

同社の運行管理者は警察の調べに対し、11人のドライバーに合計で35回の輸送を行うように命じていたことを認めた。車体幅をオーバーする長大貨物の輸送認可には1〜3カ月の時間を要すことから、その手間を嫌って無許可で輸送していたという。

このことは支店長も把握していたが黙認。さらには「警察にばれたら大変なことになる。事故はくれぐれも起こさないように」と発言していたことも調べで明らかになっている。

警察ではこの発言から「無許可輸送は会社ぐるみで行われていた」と判断。実際の輸送に関わった者だけではなく、法人としての会社も送書類検対象に含めた。

《石田真一》

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