着用したくない後席シートベルト--甘えが命を奪う

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着用したくない後席シートベルト--甘えが命を奪う
  • 着用したくない後席シートベルト--甘えが命を奪う

警察庁は6日、日本自動車連盟(JAF)と共同で実施したシートベルトの着用率調査の結果を明らかにした。前席(運転席と助手席)での着用率は向上しているものの、シートベルトの着用が義務付けられていない後席での着用率が非常に低いことがわかった。

JAFでは後席シートベルトの重要性を訴えるページをWebサイトに開設し、着用を呼びかけている。

この調査は警察庁とJAFが共同で先月実施したもの。一般自動車道では運転席89.4%、助手席75.2%の着用率があったことに対し、後席ではそれが6.9%に急落する。また、高速道路で実施した調査でも運転席97.4%、助手席91.4%だったのに対し、後席では11.0%とやはり低い数字となった。後席はシートベルトの着用が義務付けられておらず、「前席と比べて着用が面倒、「窮屈」、「面倒」などの理由で着用しない人が多いとみられる。

「後席だから大丈夫」と考えている人が意外に多いということもあるが、実は後席の方が事故時に車外放出される危険性が高い。死者数で見ても着用時の死者が4人であることに対し、未着用時では125人まで数字が跳ね上がる。このうち59人は車外に放出されて命を落としているのだ。車外放出の割合は41.3%で、これは運転席の17.2%、助手席の26.7%と比較にならないぐらい多い。

ミニバンが普及するにつれ、後席=ゆったりとくつろぐためにあると考え、ベルトをしない人も多い。しかし、車室が広いクルマほど事故時に未着用の人間が飛び回るスペースがあり、窓が大きいことから車外放出の危険性が高いことを忘れてはいけない。

警察庁では後席シートベルト着用の重要性を訴えていくとしているが、今後の義務化についても一考する必要があるかもしれない。

《石田真一》

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