青森県警は5日、今年4月以降に十和田市や野辺地町で頻発している女子中学生を狙った監禁未遂事件について、この事件の容疑者として20歳の男を略取未遂と傷害の容疑で逮捕した。
犯行に使われたクルマと、男の所有するクルマの特徴が酷似していることや、目撃情報と容疑者本人の容貌が似ていることなどが決め手となったようだ。
青森県警・捜査一課、同・十和田署の調べによると、直接の逮捕容疑となった事件は10月27日の午後に発生している。同日の午後5時30分ごろ、十和田市内の市道を自転車に乗って帰宅しようとしていた13歳の女子中学生に対し、この女子中学生の前方から歩いてきた若い男が首に腕を回して転倒させ、近くに止めてあった乗用車に連れ込もうとした。
女子中学生は大声を出して暴れ、この様子に気づいた女子中学生の友人が駆け寄って足を引っ張るなどして激しく抵抗したため、男は2人の顔や腹を蹴るなどした後、一人で乗用車に戻り、そのまま走り去った。この際、2人の女子中学生は全治2週間の軽傷を負っている。
警察では略取未遂と傷害の容疑で捜査を開始したが、2人が目撃した乗用車が近辺で今年4月以降に頻発している準わいせつや略取未遂事件の容疑車両と酷似していたこともわかった。また、他の目撃者が車種名を具体的に答えており、警察ではナンバーの登録情報を基に現場周辺での洗い出し捜査を行った。
この結果、十和田湖町に住む20歳の男が目撃情報と同じ特徴を持つ同型のクルマを所有していることが判明。容疑者本人の容貌も目撃情報と酷似していることから5日の朝に任意同行を求め、取り調べを行ってきた。その結果、男が犯行の一部を自供したため、同日午後までに逮捕した。警察では容疑車両を押収し、車両の検分を進める方針だ。
青森県警では2001年5月に弘前市内で発生した消費者金融に対する放火殺人事件以降、事件に関わったとされるクルマの特徴をデータベースに収録する作業を行っており、今回の事件でもそれが容疑者特定に一役買ったようだ。