インターネットで中傷---懲役1年4カ月の実刑判決

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当時17歳の少年をクルマではねて死亡させた交通事故加害者の男が、少年の遺族(両親)を逆恨みしてインターネットの掲示板で誹謗中傷を繰り返し、名誉棄損罪に問われた28歳の男に対する判決公判が4日、大阪地裁で開かれた。裁判所は被告に対して懲役1年4カ月の実刑判決を言い渡している。

この男は2000年4月21日深夜、自分の所有するクルマで大阪府泉佐野市内の市道を走行していた際、制限速度40km/hのカーブを80km/hを超える速度で曲がろうとして対向視線に逸脱。対向車線側のガソリンスタンド横に止まっていた17歳少年が運転する原付バイクに激突するという事故を起こした。少年は事故から2日目に死亡。男は業務上過失致死と道路交通法違反(速度超過)容疑などで逮捕・起訴された。

この男は2001年7月に業務上過失致死と道路交通法違反事件の論告で懲役2年を求刑されるが、その直後にインターネット上の掲示板に被害者遺族の実名を挙げ、「うそでうそを塗り固める」など、遺族側が行った警察への証言を非難したと受け取れる内容の書き込みを匿名で行ったとされる。

大阪地裁の並木正男裁判官は4日に開かれた判決公判で「被告は交通事故の裁判で被害者側が自己に不利な証言を行っために長期の刑が求刑されたと思い込み、事故を起こした自分の行為を反省することなく、他者に責任を転嫁するばかりか、身勝手な中傷を行って遺族の社会的信用を低下させたことは明白」と指摘。「長男を失った遺族の感情を考えない自己中心的な犯行である」と認め、男に対して懲役1年4カ月の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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