潜水橋からクルマが落ちない対策を管理者はするべし

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2001年8月、徳島県徳島市内の勝浦川に架かる飯谷橋(潜水橋)で、出勤途中の兄妹が乗った乗用車が増水した川に転落して死亡した事故で、この兄妹の両親が橋を管理する徳島市に対して総額1億7000万円あまりの損害賠償を求めた民事訴訟の判決が31日、徳島地裁で言い渡された。

裁判所は徳島市の安全管理に怠りが生じていたことを認め、市に対して5900万円の支払いを命じている。

この事故は2001年8月22日に発生している。同日の午前8時ごろ、徳島市飯谷町付近にある飯谷橋から2人乗りの乗用車が下を流れる勝浦川に転落した。川は台風の影響で増水しており、クルマはそのまま流されて乗っていた兄妹2人が死亡した。

この橋は増水時に橋が水没する構造の、いわゆる「潜水橋」で、水の流れを円滑にするため欄干などは設置されていなかった。遺族側は「橋が泥でスリップしやすい状態であったにも関わらず、通行を防止するためのバリケードが何者かによって撤去されている状態にあった。

この橋では過去に数度の転落事故が発生しており、市は欄干などを設置して通行の安全を確保する義務があった」と主張。

これに対して徳島市側は「事故前に100台を超えるクルマがすでに通行しており、転落の原因はスピードの出しすぎによるスリップが原因だったと考えられる。そうした状況の中ではあえて通行禁止にする意味はない」と反論していた。

31日の判決で徳島地裁の村岡泰行裁判長は、市側の安全管理体制に怠りがあったことを認め、遺族側に5900万円慰謝料などを支払うことを市に命じた。

徳島市周辺にはこうした潜水橋が数多く残されているが、自動車やバイクが橋から転落する事故は後を絶たず、対策が急務とされている。

《石田真一》

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