数度の人身事故でも反省無く--懲役7年

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泥酔状態でクルマを運転し、自転車で帰宅途中だった18歳女性をはねて死亡させたことで危険運転致死と道路交通法違反の罪に問われた26歳の男に対する判決公判が8日、さいたま地裁で開かれた。裁判所は被告に懲役7年の実刑判決を言い渡している。

この事件は今年の7月12日未明に発生している。同日の午前1時40分ごろ、泥酔状態で蛇行を繰り返すように走っていたクルマが埼玉県久喜市中央3丁目付近の市道交差点へ減速しないまま進入。出会い頭で自転車で帰宅途中の18歳女性をはねた。

女性は転倒した際に事故を起こしたクルマのボンネットに倒れこむ形となったが、男はクルマを停止させず、女性をボンネットに乗せたままの状態で蛇行運転を繰り返しながら約180mを走行。

その後、急ブレーキを掛けたことで女性は前方に転落したが、クルマは直後に再発進し、女性を底部と路面の間に挟みこんだ状態でさらに走り続けた。女性は収容先の病院で死亡している。

8日の判決公判で、さいたま地裁の若原正樹裁判長は被告がこれまでにも飲酒原因の事故を起していることや、事故直前まで自宅で大量の飲酒を行っていたことに触れ、「日頃から安易に飲酒運転を繰り返し、これまでにも重大な人身事故を起こしているにも関わらず、その認識はあまりにも希薄」と指摘した。

その上で「過去にも飲酒原因の人身事故を起こし、数度の処分を受けていることを考慮するならば、それ以前の自己責任を省みることもなく、また同様の事故を起こしたことになる。このことから情状を酌量する余地はなく、人道にも反する極めて悪質な行為である」として、被告に対して懲役7年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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