今年6月、愛知県新城市内の東名高速上り線で過労による居眠り運転が原因でクルマ9台が関係する多重衝突事故を起こし、4人を死亡、11人を負傷させたことで業務上過失致死傷罪に問われた36歳の男に対する初公判が17日、名古屋地裁で開かれた。男は起訴事実を全面的に認めている。
この事故は今年6月23日の午前11時10分ごろに発生した。愛知県新城市富岡付近の東名高速上り線で、渋滞中の車列に後方から走ってきた大型トラックが激突。最後尾に止まっていた乗用車の屋根に乗り上げるようにしてさらに前方に進み、他のクルマとも衝突した。
事故原因となったトラックを運転していた36歳の男は、過労によって居眠り状態だったとみられ、少なくとも40kmほどの区間は意識が朦朧とした状態で運転を続けていたらしい。
事故当時もブレーキを全く使用しておらず、最初に衝突された乗用車は踏み潰されて原型を留めない状態になっていた。この事故では結果として9台が関係し、15人が死傷している。
17日に行われた初公判の冒頭陳述で検察側は、男が借金返済のために睡眠時間を減らして代行運転のアルバイトするなど、慢性的な過労状態にあったこと。以前にも同様の居眠り運転や漫然運転で事故を起こし、今回の事故当日も長時間の運転から相当に疲労をきたし、眠気を催したことなどを指摘した。
被告の男はこれに対して「間違いありません」とし、起訴事実を含めて全面的に認めている。