阪神高速の偽造券---1万3000枚以上も使われる

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阪神道路公団は11日、今年7月中旬以降から額面700円の偽造回数券が急速に流通し、これまでに約1万3000枚が実際に使われ、料金所から回収されていたことを明らかにした。

偽造枚数があまりにも大量であることから、警察に対して被害届けを提出するとともに、券面のデザインを変更し、高度な偽造防止策を盛り込むなどの具体的な対策の検討を始めた。

阪神高速道路公団によると、この偽造券は額面700円分の阪神東線普通車回数通行券を実物と同様に模したもので、本物と比べてインクの匂いが強く、券面に記載された記号が7種類に限定されるなどの特徴がある。

記号番号は一緒だが、その後に続く下6桁の数字はそれぞれ違っており、単純に「これが偽物」と瞬時に判断することが難しいという厄介な特徴もあわせもっている。

手ざわりが真券と違うため、慣れた職員ならわかる場合もあるが、短時間で処理するために発覚してもそれを出した容疑車両がすでに走り去っているというケースも多い。

このため7月中旬から8月中旬までの1カ月だけで約5000枚が、8月中旬から9月上旬では約8000枚が料金所で回収された回数券の中から発見されている。

偽造回数券が使われた枚数があまりにも多いため、公団は大阪府警に被害届を提出。警察は有価証券偽造・同行使の疑いで捜査しているが、枚数が非常に多いことから大規模な偽造組織があるか、海外の組織が作ったものを何物かが持ちこんでいる可能性も高い。

公団でも「抜本的な対策は券面自体のデザインを変えるとともに、高度な偽造防止技術を採用して、偽造しにくくするしかない」としている。だが、首都高でも同様の経緯で偽造防止対策を施した新デザイン券が導入されたものの、わずか1年4カ月で本物と区別の付かない精巧な偽造券が出回ったという過去も。イタチごっこはまた続くのか。

《石田真一》

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