7日未明、岐阜県岐阜市で追突事故の示談中に、9歳の男児を乗せたままの被害車両が何者かによって乗り逃げされるという事件が起きた。男児を乗せたクルマは約1時間後に発見されており、男児にケガは無かった。警察では事故を故意に起して、ドライバーが下りた隙にクルマを盗むという、悪質な窃盗事件だったとみて調べを進めている。
岐阜県警・岐阜南署の調べによると、事件が起きたのは7日の午前0時ごろだったという。岐阜市加納城南通2丁目付近の県道で、50歳女性の運転するクルマが交差点で信号待ちをしていたところ、後方から走ってきた別の乗用車が追突してきた。
女性は近くの空き地にクルマを乗り入れ、謝りながらクルマを降りてきた後続車のドライバーと示談を行おうと車外に出たところ、何者かが女性のクルマを盗んで逃走した。女性が驚いて道路まで走っていった隙に後続車の男も自分のクルマで逃げ去った。
女性のクルマには9歳の男児が乗っていることから、警察では窃盗だけではなく、幼児略取の疑いもあるとして緊急手配を敷いて捜査を行っていたが、事件発生から1時間後、盗難された現場から南に2kmほど離れた岐阜市正法寺町の市道でパトロール中の警察官がクルマを発見。車内で寝ていた男児も無事に保護した。
容疑者は持ち去った後に男児が載っていることに気づき、逃走のリスクを感じて捨て去ったものとみられている。
警察では事故を故意に起こし、ドライバーを外に出した上でクルマを盗みだすという悪質な窃盗事件の可能性が高いとみている。女性のクルマは国産の高級乗用車で、盗難のターゲットになることも多いものだった。当時、男児は熟睡しており、クルマが盗まれたことにも気づかず、容疑者の顔も見ていないと証言しているという。