新名称で「事故が多い道路」のイメージ払拭

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静岡県・土木部は26日、昨年6月と今年1月にフェード現象を起した大型観光バスが暴走事故を起こした県道熱海函南線について、現在使用している略称「熱函道路」に代わる新たな愛称を一般から募集する。

ブレーキ故障などに備えた緊急避難場所の設置など、道路自体に安全対策を盛り込んだことから、新たな名前で呼ぶことで「事故を起しやすい道路」という汚名を返上したいという狙いがあるようだ。

熱函道路では昨年6月と今年1月の2回、大型観光バスがフットブレーキの多用によるフェード現象を起してブレーキが使えなくなり、石垣に突っ込んだり路外に転落するなどして乗客が死傷する事故が相次いだ。

熱海梅園から熱海市中心部方向まで総延長6.3kmにも及ぶ急な下り坂が続いており、車重が重くてブレーキに負担が掛かる大型車の事故は前述したケース以外にも後を絶たなかった。

道路を管理する静岡県の熱海土木事務所では、急カーブに面した場所など、ブレーキ故障による速度超過でコントロールを失ったクルマが路外転落などを起しやすい箇所に緊急避難場所を設置。これまでに2カ所で運用を開始している。

今年12月にもう1カ所が追加されることで、これまでのような事故多発は無くなるものと期待されており、これを機に道路の愛称を募集することになった。

現在は正式名称の「県道熱海函南線」を略して「熱函道路」と称しているが、さらに呼びやすい名称を付けることで、一般への周知を高めることが狙いだという。

また、報道で「危険な道路」としてクローズアップされた名前は、観光地として熱海のイメージを損ない低迷が進む一因になるという地元の危惧も背景にあることは間違いない。

愛称については10月10日までの間、熱海土木事務所の総務課がメール(atado-soumu@hq.pref.shizuoka.jp)での応募を受け付けている。応募の際には住所や氏名などの必要事項と、付けたい愛称、その愛称にした理由などを明記する必要がある。

《石田真一》

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