気が動転して身代わり!? 福岡の警官

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福岡県警は21日、運転をミスして自車を電柱に衝突させるという事故を起こした筑紫野署に所属する54歳の警部補が、44歳の妻を身代わりにして事故発生を通報していたとして、警部補を道路交通法違反(安全運転義務、事故報告義務違反)容疑で、妻を犯人隠避容疑でそれぞれ書類送検した。

この警部補には21日付けで停職3カ月の懲戒処分が命じられているが、同日で依願退職している。

福岡県警・監察官室の調べによると、問題の事故は今年7月10日に発生している。同日の午後10時30分ごろ、福岡県筑後市内の市道をマイカーで走行していた筑紫野署・地域二課に所属する54歳の警部補が運転を誤って道路脇の電柱に衝突。クルマと電柱を破損させるという事故を起こした。

この際、警部補の妻が「私が運転していたことにする」として警察に通報。通報を受けて駆けつけた筑後署員に対しても終始「自分が運転していた」と説明を続けた。

警部補は事故の際に打撲傷を負い、事故の翌日から「体調を崩した」として欠勤。1週間後の7月17日に上司から病状を問われた際に「実は自分が事故を起こした。打撲もあるが、自責の念で体調を崩した」と告白したことから身代わりが発覚した。

調べに対して警部補の妻は「警察官が事故を起こしたら大変なことになると思い、身代わりになろうと思った」と供述。警部補から身代わりを要求されたわけではなく、自発的な行動だったことを強く主張した。

警部補は監察官室の調べに対して「自分から身代わりを頼んだわけではなく、気が動転しているうちに了承してしまった」と供述しているという。

監察官室では事態を重く見て、警部補を道交法違反で、妻を犯人隠避容疑で書類送検するとともに、警部補に対しては停職3カ月の懲戒処分を21日に命じている。しかし、警部は手続き上は懲戒処分が命じられる直前に依願退職を申し出ており、同日午前にこれが受理されている。

福岡県警では「警察官として許されない行為。再発防止に努めたい」とコメントしている。

《石田真一》

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