19日午後、山形県西川町内の県道でカーブを逸脱したワゴン車が崖から転落し、乗っていた8人のうち、1人が骨折で重傷、他の7人が軽傷を負うという事故が起きた。運転していた63歳の男性は「ブレーキが効かなかった」と供述しているが、警察では男性の運転方法に問題があったとみて、さらに詳しく事情を聞いている。
山形県警・寒河江署の調べによると、事故が起きたのは19日の午後4時15分ごろだという。西川町月山沢の県道で8人が乗ったワゴン車がヘアピンカープを直進するように道路を逸脱し、そのまま崖から転落した。クルマは約20m落下した地点で立ち木に引っかかって止まったが、その際の衝撃で59歳の女性が鎖骨などを折る重傷を負い、他の7人も軽傷を負った。
現場は月山への登山口へのアクセスルートで、下り坂を降りた先にヘアピンカーブがあるという場所。ワゴン車は右へのカーブに進むことができず、そのまま坂を直進してしまったとみられている。
運転していた63歳の男性は「ブレーキが効かなかった」と供述しており、当初はフェード現象などによる事故と考えられていたが、その後の供述でこのクルマが当時エンジンを切った状態で走っていたことがわかった。これについて男性は「ガソリンの残りが少なくなり、ずっと下り坂だというのはわかっていたので惰性で走れると思った」と話しているという。
警察では男性がクルマのエンジンを切ったため、ブレーキの倍力装置やパワーステアリングなどが一切使えない状態になっていた可能性が高いとして、引き続き業務上過失傷害容疑でこの男性から事情を聞いていく方針。