日本車の欧州販売が好調だ。円安ユーロ高というフォローの風が吹いているものの、現地生産の拡充や欧州市場にマッチした商品力のテコ入れが実を結んできた。EUでは自動車に高関税を課しており、日本車にとっては攻めにくいマーケットでもある。だが、そのようなハンディを乗り越え、欧米メーカーと真っ向からぶつかる日本車の戦いは正念場を迎える。
●市場弱含みの中、日本車シェア上昇……の、なぜ
欧州自動車工業会(ACEA)の西欧18カ国をカバーした統計によると、今年上半期(1〜6月)の乗用車新車登録は、前年同期比2.6%減の756万台余りだった。欧州経済は弱含みで推移しており、自動車需要も一進一退が続いている。
だが、日本車だけは販売シェアを着実に伸ばし、上半期の総販売台数は同5.9%増の92万9108台と、元気だ。シェアは12.3%と、昨年上半期との比較ではちょうど1ポイント伸ばした。これに対して、欧州勢はPSA(プジョー・シトロエングループ)が昨年1年間の実績に対して0.3ポイント上げたほか、最大手のフォルクスワーゲンをはじめ、いずれも落としている。
GM(ゼネラルモーターズ)、フォードグループの米国勢は横ばいであり、日本車は地元の欧州メーカーからシェアを奪取した形だ。日本車トップのトヨタ自動車は、昨年1年間の実績に比べ、上半期は0.2ポイント拡大させ、4.6%としている。同社の今年6月のシェアは4.8%まで上昇、2005年に販売台数80万台、シェア5%という目標に近づいてきた。張富士夫社長は7月の記者会見で「欧州の80万台は見えてきた」と、早期達成に自信を示している。
2/4●ニューモデル販売好調の影に横たわる課題
3/4●なんとかしてよ、ブレア首相
4/4●では、自分でなんとかします。できます