岩手県教育委員会は28日、花巻市内の市立中学校に勤務する32歳の男性教諭が酒気帯び運転で警察の摘発を受けていたことを明らかにした。県教委では今月1日から飲酒運転を行った教職員への罰則を強化しており、今回が適用第一号となった。処分内容はまだ決まっていないが、3カ月以上の停職処分であることはほぼ確実とみられる。
県教委の調べによると、この教諭は25日の午後11時20分ごろ、花巻市西宮野目付近の市道で自己が所有するクルマを運転中、ハンドル操作を誤って道路左側の縁石に接触し、弾みで横転した。
近所の住民が110番通報し、駆けつけた警察官が教諭に事故発生当時の事情を聞こうとしたところ、教諭の息が酒臭いことに気づき、アルコール検知を実施した。教諭の呼気からは0.35ミリグラムのアルコールを検出、教諭自身も飲酒の事実を認めたため、道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で検挙された。
教諭は同日の午後6時ごろから市内の飲食店で開かれた勤務先の学校の慰労会に出席。飲酒を含む食事を行った。その際には運転代行を利用して帰宅したが、夜食が欲しくなって自宅から4km離れたコンビニエンスストアに行く途中で事故を起こしたらしい。
この教諭は翌26日、勤務先の学校に対して事態を報告。これを受けた学校が県教委に報告し、同日中にこの教諭の処分を検討する会合が開かれた。
岩手県では教職員の飲酒運転に対する罰則を今月1日から強化していおり、今回は呼気1リットルあたり0.25ミリグラム以上のアルコール量で検挙されていることから、3カ月以上の停職が言い渡されることは間違いないという。
罰則強化後に摘発されたのは今回が初めてであり、それだけに処分内容も即日では決まらず、今後も日数についての検討を続けることになった。今月末か来月上旬までには結果を公表するとしている。
《石田真一》