千葉県警は23日、京葉・東葛地域を拠点に活動する暴走族10グループを事実上の壊滅状態に追い込んだことを明らかにした。昨年の9月に起きた道路交通法違反(共同危険行為)事例で43人を逮捕、中学生を含む少年29人を補導したことで組織の維持が困難になった。
千葉県警・交通指導課によると、今回逮捕されたグループは京葉・東葛地域(千葉市、市川市、船橋市、習志野市など)を拠点に活動する暴走族10グループ。
このグループは共謀し、昨年9月14日の深夜、国道357号線の市川市若宮付近から船橋市高瀬町付近までの間を暴走。バイク37台、メンバー76人が参加する大規模暴走となり、約20分に渡って蛇行運転やノロノロ運転、信号無視や対向車線侵入などを繰り返して行なった。
対向車線側を走っていたクルマなどが回避のために急ブレーキを使用することが何度も目撃されており、他の車両にこうした運転上の危険を負わせたことが道交法違反(共同危険行為)容疑に当たると判断された。
県警では当日撮影したビデオ映像を元に参加メンバーの摘発を進め、23日までに47人を同容疑で摘発。うち43人は行状が悪質として逮捕されている。また、暴走に参加していた14歳から16歳の少年29人を同容疑で補導し、以後の暴走に参加しないように警告している。
暴走族の構成メンバーは14歳から33歳までだが、大半は20歳以上だったという。今回の暴走は若年メンバーの勧誘も兼ねていたとみられ、普段は単独行動を行っている暴走族が集結して大暴走を行ったとみている。
10グループのうち、中心的な存在だったグループのリーダーはすでに懲役8カ月の実刑判決を受けて姿を消した。また、他グループのリーダーなど主力メンバーの大半にも罰金刑が言い渡されている。逮捕者が多くなったことで結束感が失われたためにほとんどのグループは事実上の解体状態となったらしく、最近では目立つような暴走が行われていないという。