事故の責任は双方---路線バスとクレーン車の衝突

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香川県警は11日、今年5月に発生したクレーン車と路線バスの衝突事故について、クレーン部分を道路にはみ出させたままの状態で停車したクレーン車の運転手と、前方不注意状態で走っていた路線バス運転手の双方に責任が生じるという最終見解を示し、同日までに両運転手を業務上過失傷害と道路交通法違反容疑で書類送検したことを明らかにした。

また、クレーン車を所有する会社も県道を通行するために必要な道路管理者の許可を受けていなかったとして、同様に書類送検されている。

香川県警・高松北署の調べによると、この事故は5月19日の午後5時ごろ発生している。

高松市西宝町2丁目付近の県道を走行していた弓弦羽(ゆずりは)行きの路線バスと、道路脇の工事現場から発進しようとしていた大型クレーン車が衝突した。クレーン車のアーム部分はバスの左後部を直撃。バスの車体はアームに突き出される形でコントロールを失い、そのまま道路左側の電柱に激突した。バスは電柱に衝突した際、車体を左に傾けながら突っ込んだとみられ、運転席横のドア付近が完全に潰れてしまうほどの損傷を負った。

この事故でバスの乗客25人が重軽傷を負い、コントロールを失ったバスが電柱を破壊したため、付近の住宅が1時間30分に渡って停電するという被害も出た。

警察では事故当時、クレーン車側の安全確認に怠りがあったとして47歳の運転手を業務上過失傷害の現行犯で逮捕していたが、その後の調べで路線バスを運転していた44歳のバス運転手も前方の確認を怠り、アームが県道部分に露出していることにも気がつくことなく、そのまま漫然と通行していたことが判明している。

アーム部分が露出していることをバス運転手が視認していた場合には事故を未然に回避できていた可能性が高くなった。事故発生の経緯を考えたならクレーン車側にのみその責任を追及するのは酷だとして、バス側にも相応の責任を負わせるべきだと判断された。

このため県警では双方の運転手を業務上過失傷害と道交法違反で書類送検することを決め、11日までにその手続きを取った。

また、事故の経緯を調べている際、問題のクレーン車が公道を走るために必要とされる通行許可申請を、クレーンの所有会社が怠っていたことも明らかとなり、法人としての所有会社も書類送検されている。

《石田真一》

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