大規模な停電に備えて警官が手信号を練習---埼玉県警

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埼玉県警は3日、電力不足によって生じた停電で信号が使えなくなった事態を想定し、若い警官を中心に手信号による交通整理を練習させていく方針を明らかにした。2日には川越署の警官45人が参加し、国道16号線などで実際に交通整理を行なっている。

これは東京電力が持つ原子力発電所のうち、15基が格納容器(シュラウド)の点検などで使用不能になっていることから生じている電力不足により、真夏のピーク時に突発の停電が発生して信号機が使えなくなるという事態を想定したもの。

若い警官の中には手信号による交通整理を実際に行なった経験のあるものが少なく、突発的な停電発生に対処できない可能性があることから練習の実施を決めた。電力需要がピークに近づき、停電の危険性が高まる7月末までの間に県内の全署で練習を実施し、事態に備えることとなる。

2日に行われた初の練習は川越署管内で行われ、川越署の警官45人をはじめ、川越市の職員や東京電力の職員も参加した。道路に出る前に川越署で基本的な動作の練習を行い、その後は国道16号線の交差点や、市の中心部などの比較的交通量が多い交差点で、実際に信号機を消した状態で交通整理を行なった。

交通整理時に、手信号による指示がわからず、交差点上で停止してしまうドライバーもいたが、別の警官が説明するなどしたため、大きな混乱は生じなかったという。

川越署によると国道の主要交差点では発電機が内蔵されたコントロールユニットがあり、停電時でも一定時間は信号機が動作するという。しかし、中規模以下の交差点では最終的には手信号に頼るしかない状況が生じる可能性が高い。

県警では「大規模な停電がなくとも、夏のシーズンは落雷などによって地域的な停電が生じることもあり、手信号の練習を行うことは決してマイナスにならない。ドライバーも警官の指示に従い、信号が使えなくなった場合でも安全運転を心がけてほしい」とコメントしている。

《石田真一》

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