パチンコに夢中になって生後9カ月の長男を駐車場に置いたクルマの中に9時間近くも放置し、熱中症で死亡させたとして重過失致死罪に問われた25歳の女に対する判決公判が長野地裁飯田支部で行われた。裁判所はこの女に対して禁固2年(執行猶予3年)の判決を言い渡している。
この事件は今年4月3日に起きた。同日午後6時30分ごろ、飯田市上殿岡にあるパチンコ店を利用していた25歳の女から「クルマの中で寝かせていた子供の様子がおかしい」という119番通報が寄せられた。救急隊員がすぐに現場に急行し、ぐったりとしていた生後9カ月の男児を病院に収容したが、午後8時すぎに熱中症が原因の多臓器不全で死亡した。
当初この女は警察の取り調べに対して「午後2時ごろに来店した」と説明していたが、店員は「午前10時にはクルマが駐車場にあった」と証言。さらには以前から死亡した乳児を車内に放置することを繰り返しており、店員が再三注意したにも関わらず、それを無視する形で放置を続けていたこともわかった。
警察では女を重過失致死容疑で逮捕し、検察も「パチンコにのめりこみ、結果として我が子を死に至らせた責任は重大だ」として同罪で起訴していた。
2日の判決公判で長野地裁飯田支部の岩松浩之裁判官は「自己のパチンコがしたいという欲求を満たすために放置を繰り返した責任は重い」としながらも、「被告人は素直に反省の情を示している」として、禁固2年の求刑に対し、禁固2年(執行猶予3年)の有罪判決を言い渡した。