アルコール臭を消すために香水---元警官が飲酒の証拠隠滅?

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非番日に友人たちと飲酒し、帰宅の途中に追突事故を起こして相手に軽傷を負わせたことで、業務上過失傷害と道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた、石川県警の元巡査長に対する初公判が1日、金沢地裁で開かれた。元巡査長は起訴事実を認めたが、検察側は逮捕当時の証拠隠滅工作などを示し、悪質性を訴えた。

問題の事件は今年5月7日の未明に発生している。同日の午前3時20分ごろ、石川県金沢市小坂町の市道交差点で信号待ちをしていたワゴン車に後続の軽自動車が追突。ワゴン車を運転していた18歳の少年が首などに軽傷を負った。

石川県警・金沢東署では軽自動車を運転していた28歳の女を逮捕。後の調べでこの女が県警本部地域課所属の巡査長であることも判明した。

女の呼気からは酒気帯び相当量のアルコールを検出。取り調べに対しては「6日の午後8時30分ごろからワインを中心とした飲酒を行い、一旦実家に戻り、そこから自宅に帰る際に事故を起こしてしまった」と供述した。この巡査長は5月29日に停職6カ月の懲戒処分を受けたが、同日付けで依願退職している。

初公判で元巡査長は起訴事実を全面的に認めたが、検察側は冒頭陳述で「被告は事故現場最寄の交番に連行される途中、自分の運転していたクルマの車内で香水を過剰に使用し、アルコール臭を消そうとした疑いがある」など、証拠隠滅とも受け取れるような行動があったことを提示。弁護側は「退職したことですでに社会的制裁は受けた」と情状の酌量を求めている。

石川県警では現職警官による飲酒運転が後を絶たず、昨年6月改正道交法施行によって飲酒運転の罰則が強化されて以後も、この件を合わせて4件が発生している。

《石田真一》

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