ひき逃げ犯に重罰を期待する約9万人……裁判所の判断は?

今年3月、帰宅途中の女子中学生2人を死亡させ、業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)の罪に問われていた38歳の男に対する論告求刑公判が25日、宇都宮地裁で開かれた。検察側は「行状は殺人行為に匹敵する」として懲役7年6カ月の実刑判決を求刑した。

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今年3月、帰宅途中の女子中学生2人を死亡させ、業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)の罪に問われていた38歳の男に対する論告求刑公判が25日、宇都宮地裁で開かれた。

この事故は今年3月17日に起きている。同日の午後7時ごろ、部活を終えて学校から帰宅する途中だった女子中学生2人が益子町塙の町道で暴走車にはねられて死亡したというもの。遺体は衝突地点から15m離れたところで発見されており、かなりの高速度ではねられたとみられていた。

容疑者の男は翌日の未明に警察へ出頭。業務上過失致死と道交法違反容疑で逮捕されたが、飲酒運転と著しい高速度運転が発覚。翌日には危険運転致死に切り替えられた。

しかし、検察側は「著しい高速度は居眠り運転によって生じたものであり、事故直前の2kmを支障なく走行していることは飲酒運転による影響が出ていたとは考えにくい」として起訴の際、再び業務上過失致死に戻している。

遺族はこの決定に激怒し、危険運転致死罪の適用を求める約9万3000人分の署名を検察側に提出。検察は「これをもっても罪状の変更は難しい」としながらも、遺族感情を表すものとして裁判所への提出を約束していた。

25日に行われた論告求刑公判で検察側は約束どおり、遺族が集めた署名を裁判所に証拠書類の一部として提出した上で、「業務上過失致死ではあるが、酒気帯び状態を看過して運転を続けたことなどの行状は殺人行為に匹敵する」として懲役7年6カ月の実刑判決を裁判所に求めている。

危険運転罪に期待する民意と、同罪の運用に神経を尖らす検察側との考え方の相違がクローズアップされた事件のひとつでもあるが、これを裁判所がどのように判断するのかは非常に興味深い。判決公判は7月23日に行われる予定だ。
《石田真一》

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