消防車のガソリンを狙っているのは暴走族?

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広島市消防局は16日、広島市内の消防団車庫でガソリンを狙った侵入事件が相次いでいるという実態を初めて明らかにした。事件が発生していることを告知することで、不審人物を市民が見かけた際、通報しやすくすることが狙いだ。

消防局によって盗難被害が明らかにされたのは、市内約140カ所に点在する消防団の車庫。2001年1月から2002年5月までは佐伯区内の消防団車庫が集中的に狙われ、これらの防犯体制を強化した結果、今では周辺部へと徐々に拡大しつつある。

手口はいずれも共通で、車庫のガラス窓を破って内部に侵入し、保管中の消防車からガソリンを盗み去るというものだ。軽油を使った車両からは燃料が盗まれていないことから、犯人はガソリンを盗む目的で侵入しているものと思われる。確認された24件の被害のうち、15件はこのガソリン盗難で、残る9件は車両に設置されたスピーカーや無線装置などの備品類だった。

ガラスを破るという荒っぽい手口や、ガソリンをメインターゲットとしていることから、周辺で活動する暴走族が関与しているのではないかとも見られているが、犯人の足取りはつかめておらず確証には至っていない。

そもそも車庫の周囲ではこうした被害が出ていることも知られておらず、消防局も全体的な被害状況を把握していなかった。今回の実態調査で被害が市内全域で起きていることが確認できたため、こういう事態に直面していることを公表し、不審な人物を発見した際の通報に市民の協力を求めることになった。

消防局では「不審人物を見かけた場合には119番でなく、110番通報してください」と、念のため注意している。

《石田真一》

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