シートベルト未着用者の死因で多いのは車外放出じゃない

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埼玉県警は14日、昨年1年間にクルマを運転中あるいは同乗していた際に事故で死亡した122人のうち、全体の70%にあたる86人がシートベルトを着用していなかったことを明らかにした。

このうち35人はベルトさえ着用していれば生存していた可能性が高く、現在実施中の「春の全国交通安全運動」の期間中、このデータを示しながらベルト着用の大切さをアピールしていくという。

これは埼玉県警・交通企画課の調べで明らかになったもの。埼玉県内で昨年1年間に発生した交通事故のうち、クルマに乗車中に死亡した人の数は122人で、シートベルトを着用していなかった人は全体の約70%にあたる86人に達するという。ベルトを着用していないのは同乗者よりも運転者本人の方が多く、86人中64人が運転者。助手席と後部座席を合わせても22人でしかなかった。

また、86人中32人は衝突時にハンドルやダッシュボードの突起物に体を強く打ちつけたり、炸裂したエアバッグで胸部を強打したことが原因で死亡したとみられ、これらはシートベルトさえ着用していれば負傷の度合いも軽かったと考えられる。

車外放出による路面激突という致命的なケガが原因で死亡したことが3人であることを考えれば、これは驚異的な数値であるとしかいえない。「シートベルトは必要ない」という考えが自分を死に至らしめる結果になったわけだ。

県警では現在実施中の春の全国交通安全運動の場でこの実態を明らかにするとともに、チラシを配るなどしてドライバーへ着用の徹底を呼びかけていきたいとしている。10年前のシートベルト着用率が62.9%であったことを考えれば、86.8%という昨年の着用率が確実にアップしているとも言えるが、残り13.2%を潰していくことが重要だとしている。

《石田真一》

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