父はゲームセンター、駐車場の子が連れ去られ…豊川の殺人事件、容疑者逮捕

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愛知県警は15日、昨年7月に豊川市内で発生した幼児連れ去り殺人事件の容疑者として、同日未明に36歳のトラック運転手の男を容疑者として逮捕したことを明らかにした。男は「泣き声がうるさいので腹が立って連れ出した」などと供述しているという。

この事件は昨年7月28日の未明に起きた。「愛知県豊川市のゲームセンター駐車場に止めていたクルマの車内から生後1歳10カ月の幼児がいなくなった」と幼児の父親が警察に通報した。警察は現場周辺を捜索 したが、発見することはできなかった。ところが行方不明発覚から4時間ほど経過した同日の午前5時50分ごろ事件は最悪の方向へ動いた。御津町の三河湾岸壁付近へカニを獲るために訪れていた男性が、海面に浮いている幼児の遺体を発見。後の調べで遺体で発見された幼児は、ゲームセンター駐車場から姿を消していた幼児であることがわかった。

二つの現場は4kmほど離れており、幼児が1人で歩くことが可能な距離ではない。幼児の父親が乗っていたクルマはアメリカ製の輸入車で、外部から窓を開けると警報がなるようになっていたものの、行方不明が発覚する直前に半分ほど開いた窓から幼児が身を乗り出して泣いている姿を何人かの客が目撃していた。これらのことから、何者かが幼児を窓から抱きかかえて連れ去り、海岸に遺棄したものとみて捜査を続けてきた。

ゲームセンターの常連客を中心に警察は目撃情報の聞き取りを続けてきたが、当日も駐車場にトラックを止めていたとされる36歳の男の証言が曖昧であり、話の内容に一部虚偽が含まれていることがわかった。このため、捜査本部が置かれた豊川署に任意同行を求め、14日午前から事情を聞いていたところ、同日深夜に「泣き声がうるさく感じて発作的に殺そうと思いついた」と、犯行をほのめかす供述を行ったため、殺人と未成年者略取の疑いで逮捕した。

男はゲームセンター駐車場にトラックを止め、車内で寝泊りすることを常としていた。事件当日は幼児の父親が止めたクルマの斜め前に位置していたとみられる。幼児が父親を探す泣き声で目が覚めてしまい、泣き止む気配が無かったので「邪魔だからどこかに連れて行こう」と思いついたらしい。警察では殺害に至る経緯や、詳しい動機などをさらに追及していく方針。

《石田真一》

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