飲酒運転を繰り返した罪は重い---泥酔ひき逃げ事件の被告に懲役4年6カ月

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泥酔状態でクルマを運転し、意識が朦朧とした状態で女性をひき逃げして死亡させたとして危険運転致死と道路交通法違反の罪に問われた21歳の男に対する判決公判が26日、青森地裁で開かれた。裁判長は「交通法規に対する規範意識は極めて乏しい」として、被告に懲役4年6カ月の実刑判決を言い渡している。

この事故は昨年12月6日未明、青森市内の市道で発生している。21歳の男(被告)が泥酔状態でクルマを運転中、意識が朦朧とした状態に陥り、全くコントロールできないままクルマを数分間に渡って走らせ続けた。その結果、前方を自転車に乗って走っていた62歳の女性をはね、そのまま現場から逃走した。当初は業務上過失致死容疑で逮捕されたが、事故前にも数度の飲酒運転を繰り返していたことが発覚。危険運転致死罪に切り替える形で起訴していた。

26日の判決公判で青森地裁の山内昭善裁判長は「被告はアルバイト先で多量に飲酒した後、当然のようにクルマを運転して帰宅しようとしている。また、本件以外にも数度の飲酒運転を行うなど、交通法規に対する規範意識は極めて乏しいとしかえいえない」と断罪した。その上で「犯行の経緯や動機に酌量の余地はない。酒酔い運転が発覚するのを恐れ、被害者を放置したまま逃走した点は甚だ悪質。被害者の無念さと精神的支柱を失った遺族の悲しみは察するに余りある。刑事責任は実に重い」と結論づけた。しかし、被害者遺族との間で補償交渉が進んでいる点は評価し、その点においては刑罰を考慮する余地があることについては認め、懲役7年の求刑に対し、懲役4年6カ月の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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