兵庫県警は26日、深夜帯にドリフト族の暴走行為が目立つ明石市の二見臨海工業団地において、今月上旬から行った特別取り締まりで3人を道路交通法違反容疑で逮捕していたことを明らかにした。今後も定期的に取り締まりを行ない、ドリフト族の一掃を目指すとしている。
これは兵庫県警の機動装備隊と、現場を管轄する明石署が共同で行っているもの。二見臨海工業団地は明石市の沖合いにある人工島で、工場や倉庫が立ち並んでいる。このため深夜は無人に近い状態となるのだが、大型トラックが通りやすいように工夫した広い道幅や、適度にカーブの多い構造が関西圏で活動するドリフト族の間で評判となり、昨年の秋ごろから暴走行為が目立つようになってきた。週末にはギャラリーも含め、数十台のクルマが集結。深夜から早朝までタイヤを軋ませながら暴走を繰り広げる。
対岸に住む住民からは「タイヤの音がうるさくて眠れない」といった苦情や、事故に巻き込まれそうになったトラック運転手からのクレームが警察に相次ぎ、この2月から本格的な取り締まりを実施していた。取り締まりは覆面パトカーに乗った警察官が目視で車種とナンバーを把握。目で追いきれない部分をカバーするために、赤外線暗視カメラも設置し、現場から逃走した場合でも後日検挙ができるようにした。暗視カメラはナンバーだけでなく、クルマを運転する者の顔などを街路灯が無い全暗黒の状態でもハッキリと撮影することができるという。
これまでに逮捕されたのは3人で、いずれも一時停止が必要な交差点にドリフト状態で進入し、一時停止を怠った道路交通法違反が原因。全員が20歳代だとしている。警察では今後も定期的に取り締まりを行ない、ドリフト族の一掃を目指すとしている。