交通トラブルで相手を刺殺---懲役14年の求刑は重い? 軽い?

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今年4月、交通トラブルを原因とするケンカで2人を死傷させ、殺人罪や窃盗罪に問われた暴力団員に対する論告求刑公判が大阪地裁堺支部で21日に開かれ、検察側は「短絡的で自己中心的な犯行である」として、懲役14年を求刑した。

この事件は今年4月28日未明、大阪府堺市の国道43号線の陸橋上で起きた。前方を走っていた被告運転の軽自動車に対し、後方から走ってきた被害者運転の乗用車が道を譲るよう、クラクションを連打して促したことに被告が激怒。陸橋上で殴り合いのケンカとなった。その過程で被告はナイフで相手を刺殺。一緒にいた別の組員が同乗者を鈍器で頭部を殴って重傷を負わせたほか、被害者の運転していた乗用車の車内に置いてあった現金7万円入りのバッグを奪って逃走した。

当時の状況を目撃した人もなかったことから、事件解決には難航が予想されたが、現場に落ちていた包装紙が現場近くのコンビニエンスストアで売られていたソフトクリームのものであると判明。防犯ビデオの映像から容疑者を特定し、事件から2週間後に54歳の暴力団員を逮捕している。

21日の論告求刑公判で検察側は、被告の行為を「短絡的で自己中心的な犯行である」と断定し、窃盗罪との複合であることも考慮。懲役14年を求刑した。判決公判は11月21日に行われる予定。

関西ではこの事件を含め、今年3月から5月の間、交通トラブルを発端とした傷害事件が頻発しており、大きな社会問題となっていた。特に神戸で起きた暴力団員による大学院生拉致監禁・殺害事件など、暴力団員が絡むことが多かったのもひとつの特徴で、この事件も当事者が暴力団員であることから厳しい判決が予想される。

《石田真一》

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