国道を通れなくすることは「軽微」か---神戸市交通局が隠蔽事故を公表

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神戸市交通局は26日、無人状態で待機していた市営バス車両が下り坂を暴走し、国道のガードレールに衝突するという事故を今年8月中旬に起こしていたことを明らかにした。無人状態で留め置く際には必須とされている車輪止めを担当運転手が適切に使用していなかったことが事故の原因とみられている。

交通局によると、事故が起きたのは8月21日の午後8時15分ごろで、神戸市須磨区一ノ谷町にある市バス回転所で、時間調整のために停車していた大型路線バスが突然動き出し、そのまま35メートルほど走って国道2号線のガードレールに突っ込んだ。バスは4車線を塞ぐ形で停止。エンジン部分が破損して自走できなくなり、このバスを使うはずの後続便が運休となった。

この回転所は国道2号線に面しており、緩やかな坂を登って出入りするような構造になっている。当時バスは頭から回転所に向かう形で、国道側へ車体後部を向けて止まっていた。担当の運転手はトイレに行くためにバスを離れていたが、無人状態でバスを駐車する場合に必須とされる車輪止めを置く手間を省いていたとみられる。しかもサイドブレーキのかけ方が弱く、結果として坂道を無人で転がりだしてしまったらしい。

事故は物損事故として処理されたが、第三者への人的損害が無かったため、これまで公表対象とはしてこなかったという。当時このバスを担当していた運転手も現在は平常の業務に就いている、としている。

神戸市交通局では8月下旬に飲酒運転を行っていた運転手が、バスの直前を横断していた80歳の女性をはねて死亡させるという事故を起こしている。交通局では綱紀粛正の一環として軽微な事故の見直し作業を進めているが、今回の事故もそうした過程で明らかになったようだ。

《石田真一》

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