栃木県警は1日、宇都宮東警察署地域課の巡査がノーヘルメットで原付バイクを運転していた少年を取り締まろうとした際、この少年にケガを負わせていたことを明らかにした。少年の親からのクレームによって発覚したもので、今後内部調査を進める方針。
県警によると、この巡査は7月31日の午後3時30分ごろ、バイクで宇都宮市内をパトロール中、ヘルメットをかぶらない状態でバイクを運転している少年を発見した。巡査は少年に停止するように呼びかけたが、そのまま逃走を開始した。その後、いったんはこの少年を見失ったが、15分後に市道交差点で信号待ちしているところを発見。再び停止を命じた。
ところが少年は警官から逃れようとバイクを発進させようとしたため、警官が右側に回り込み、少年が乗るバイクの後輪部分を蹴飛ばした。発進させようとしていた少年はこの蹴りによってバランスを崩して歩道側に転倒。倒れた際に左腕に擦過傷を負った。
この巡査は少年を道路交通法違反(ヘルメット着用義務違反)で検挙し、反則キップを交付したが、取り締まりの状況を聞いた少年の親が警察に「危険な取り締まりでケガをした」とクレームを寄せてきたために事態が発覚したという。
クレームを受けた行われた宇都宮東署内部での聴取に対し、この巡査は「交通量の多い交差点で赤信号を無視する危険性があり、他に与える影響の方が大きいと判断して行った」としている。警察では「行き過ぎた行動かどうかはこれから判断する」としているが、ノーヘルメットで走るという危険を冒しながら、警官に倒されたことでクレームを言う親の教育も疑うべきでは。