アルコール量を調べる新技術---飲酒運転・車内ろう城男を検挙

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和歌山県警は1日、ドアをロックして6時間も車内にろう城し、飲酒量のチェックを拒否したドライバーの血液から運転時のアルコール濃度を割り出し、道路交通法違反(酒気帯び)容疑で検挙したことを明らかにした。運転者は同日までに和歌山簡裁に送検され、即日で罰金の略式命令が出されている。

これは今年5月、和歌山市内の路上で、和歌山県警のパトカーが、フラフラと蛇行して走りながら信号無視を行った乗用車を発見し、停止を求めた。このクルマを運転していた37歳の男は停止命令には従ったものの、そのままクルマのドアを全てロックし、シートを倒して車内で寝たふりを始めた。

捜査員がドアを開けるように説得したが、運転していた男はこれに応じなかったため、発見から2時間後にクルマのドアを壊し、男を道路交通法違反(信号無視)の疑いで現行犯逮捕した。この際、男の呼気が酒臭いことに気づいた捜査員がアルコール量をチェックしようとしたところ、男は断固拒否。裁判所に依頼して捜査令状を取り、発見6時間後にこの男の血液を採取してアルコール量の検査を行った。

飲酒から時間が経っていたため、血液1ミリリットル中、アルコール量は酒気帯び量となる0.5ミリグラム下回っていたが、県警の学捜査研究所(科捜研)研究員が開発した「過去数時間以内の血中アルコール濃度を割り出す技術」によって測定した結果、発見当時には1.0〜1.5ミリグラムのアルコールが含まれる酒気帯び状態だったと判明したたため、酒気帯び運転容疑でも送検することになった。

この技術は主に事故で死亡した人の血液を採取して行われるが、生存している被疑者から採取してチェックすることは極めて異例だとしている。

《石田真一》

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