大阪府警は29日、酒気帯び状態で携帯電話を使用しながらクルマを運転し、他車に衝突する事故を起こしていた山口組系暴力団に属する27歳の組員を道路交通法違反(ひき逃げ)で逮捕するとともに、この男の運転免許を仮停止する処分を即日で実行したことを明らかにした。6月に施行された改正道路交通法では、悪質なひき逃げ犯の運転免許を処分が下る以前に仮停止できるようになったが、実施されるの今回が初めてのケースではないかとしている。
警察の調べによると、この男は28日の午後9時40分ごろ、東大阪市若江南町の市道を酒に酔ったまま、しかも携帯電話で通話しながらクルマを運転し、信号待ちで止まっていた乗用車の後部にほぼノーブレーキ状態で追突した。この事故で乗用車に乗っていた28歳の男性2人が軽傷を負ったが、男はそのまま対向車線側を走って逃走していった。被害を受けた2人が逃げ去るクルマのナンバーを覚えていたことから、大阪府警では緊急手配を行い、事故から数時間後に検挙。その後に酒気帯び、携帯電話使用、前方不注意などを認めたため、道交法違反容疑で逮捕している。
なお、今回は安全をあまりに軽視したことが事故を誘発したと判断したため、道交法で定められた「悪質違反者に対する免許仮停止処分」を初めて実施した。全国でもこの処分の適用例が報告されておらず、「もしかしたら初適用になるかもしれない」と大阪府警はコメントしている。