稼ぎ時だけに最大1万2000人が被害---教習所金庫ドロの影響は大きかった

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埼玉県警は25日、飯能市の自動車教習所で仮免許用の学科問題が24日未明に金庫ごと盗難された問題で、仮免許学科試験を当面の間、県の運転免許センターでのみ行なうという方針を明らかにした。新しい試験問題を作り、県内の全教習所に配布するまで3週間から1カ月の期間を要するためで、教習所が1年で一番混雑する夏休み中だけにその影響も大きくなりそうだ。

これは24日未明、飯能市内にある県公安委員会指定の自動車教習所で、1階の事務室内に置いてあった小型の耐火金庫が盗まれたというもの。金庫の中には証紙や高速チケットとともに、仮免許用の学科問題300部や教習所の卒業証明書10通が収められていた。

県下共通の学科試験問題であったため、埼玉県警の運転免許課では「問題が漏洩した可能性が大きく、公平を期すことができない」として、24日に仮免許の学科試験を行なう予定だった25の教習所に中止を要請。教習所側もこれを受けて試験の実施を取りやめている。

県の運転免許センターでは新しい学科問題の作成を行う準備を進めているが、作成した問題を基に大量の部数を印刷し、全教習所に配布を終えるまでは3週間から1カ月程度を要すると判断。その間は教習所内での受験を中止し、センターのみ受けられるようにする臨時の処置を取ることを決めた。

夏休み中ということもあり、教習所は1年で最も忙しい時期を迎えているが、学科試験を経て仮免許を取得しないことには路上教習に出ることができない。鴻巣市にある運転免許センターに近い受験者への影響は小さいが、そうでない場合にはわざわざ出かけるという負担を強いられる。

埼玉県内での仮免許学科試験の受験者数は1日400人程度だが、時期が時期だけにこれが600人程度までに増えると想定している。運転免許センターでの受験日は平日に限られるが、この措置が1カ月続けば平均値で8000人、最大値なら1万2000人が影響を受けることになる。金庫盗難の影響は意外なほど大きかったようだ。

《石田真一》

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