広島県警は1日、8月に開催する宮島水中花火大会で暴走族グループなどの行動を監視するためのテレビカメラを設置する方針を明らかにした。カメラがキャッチした映像を元に取り締まりに役立てるという。
宮島水中花火大会には例年20万人近い観客が集まるが、ここ数年は浜辺で大暴れする暴走族グループが問題となっていた。広島市に限らず、周辺の街からも集まるため、グループ同士の抗争に発展しやすく、武器代わりに使う花火の“誤爆”によって一般客も巻き添えを受けるケースが目立っている。
このため、広島県警では会場までのコースに4台のテレビカメラを設置し、近くの廿日市警察署内に伝送するシステムを構築。カメラがキャッチした映像を元に、警察官を現場に急行させるようにするという。また、到着前にトラブルが生じた場合には、その様子を録画し、後日の捜査で使えるようにもしていく。
広島市で暴走族追放条例が施行され、特攻服着用状態での集会が禁止されたため、暴走族の示威行動も減る傾向にあるが、花火大会の行われる宮島町はこの条例の及ばない地域であるため、ここぞとばかりに暴走族グループが集結するのではないかという懸念もある。
また、昨年に兵庫県明石市で起きた将棋倒し事故など、群集が元になる事故も予測されるため、こうしたカメラを混雑状況の把握に用いることで、重大な事故の発生を未然に防ぎたいという考えもあるようだ。