列車は急に止まれない---ドライバーの安全意識の無さが踏切事故を起こす

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東日本旅客鉄道(JR東日本)青森支店は28日、2001年度に管内の踏切で発生した事故の状況などをまとめ、これを公表した。列車とクルマが衝突する重大な事故が7件発生し、強引な通行によって遮断竿(遮断機の棒)が折れる事故は149件あったという。

同支店の管内には合計で417カ所の踏切があり、全体の約85%にあたる356カ所は警報機と遮断機を備えた「第一種」と呼ばれるものだが、一部の路線には警報機や遮断機の無い「第四種」と呼ばれる踏切があり、管内には36カ所が残る。このタイプの踏切では渡る際の安全確認がドライバーに一任されるが、「列車の本数も少ないし、どうせ来ないだろう」という安易な考えで安全確認をせずに横断し、結果として事故に遭うケースが目立つ。

昨年度に第四種踏切で発生した列車対クルマの衝突事故は3件だが、このうち2件が同一の踏切で、しかも2日連続して発生している。いずれのケースも安全確認をせずに踏切内に進入したところ、走ってきた列車と衝突するというものだ。また、これ以外に起きた4件の事故は警報機と遮断機のある踏切でのケースだが、いずれも遮断機が降りかけているにもかかわらず強引に進入し、結果として身動きが取れなくなって衝突…というものだった。

こうした場合、クルマのノーズで遮断竿を押せば棒を折ることなく脱出できる。内側から押した場合には竿が曲がる安全装置が付けられているためだが、すでに降りきっている遮断竿を折ってまで踏切に進入、強引な通過を行うケースは後を絶たず、同支店が確認しているだけで149件。このうち列車側の緊急停止装置が作動するほど危険度が高かったものが37件あった。緊急ブレーキが間一髪で間に合って衝突を回避できたというものだ。

同支店では自治体と協議の上、危険な第四種踏切を減らしていく考えだが、ドライバーがしっかりとした安全確認を行っていれば防げるケースばかりなのは言うまでもない。教習所で踏切通過を教える際には、今でも「窓を開け、音を聞いて安全を確認しろ」と教えているはずだが、基本的なことを忘れているドライバーが多いということか。

《石田真一》

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