『セルシオ』強奪事件、実行犯の一人が殺されていた!

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愛知県警は15日、自動車窃盗の証拠を隠滅するため、自動車修理業者の男性を殺害したとして、窃盗罪での罪が確定し、すでに服役中の日系ブラジル人を死体遺棄容疑で逮捕したことを明らかにした。この男は高級車窃盗団の元リーダーで、愛知県の田原港で昨年起きたトヨタ『セルシオ』強奪事件の主犯格とされている。

一連の事件は以下のような順序で発生している。発端となったのは昨年3月に愛知県田原市内で起きたトヨタ車の強奪事件だ。これはトヨタ田原工場のモータープールで、輸送船に積み込み待ちのために駐車されていたトヨタ『セルシオ』10台と、『クラウンマジェスタ』1台の計11台が何者かによって強奪されたというもの。その10日後には豊橋市内のディーラー駐車場で、整備のために一時保管していたポルシェ『911』の新車4台が同様の手口で奪われる事件が発生していた。

いずれの事件も手口が荒いという点が共通したおり、このことから愛知県警では「主犯格は外国人」として捜査を続けてきた。昨年7月には盗難したクルマを輸送していた暴力団員が逮捕されており、その供述からナンバーを付け替えたとされる自動車修理工場の存在が明らかになった。しかし、その経営者は暴力団員の逮捕直後から姿を消しており、警察では逃亡した可能性が高いとしてその行方を追っていた。

昨年11月までの時点でセルシオ強奪事件の実行犯は全員逮捕されたが、問題とされたのは逮捕された容疑者たちが「カネにうるさいやつを殺して埋めた」と供述していたことだった。殺されたのは姿を消していた自動車修理業の男性と見られ、この時点で逮捕されていなかったの強奪計画の立案者であるもう1人の日系ブラジル人の行方を警察が継続して追跡していた。

事件が大きく動いたのは今年1月で、昨年11月末に豊橋市内で信用金庫の集金車を襲撃した日系ブラジル人を逮捕したところ、この男が窃盗事件の主犯格であることがわかった。警察ではこの男を厳しく追及してきたが、今月初めになり「殺してから遠州灘の海岸に埋めた」と具体的な供述を開始したため、警察が捜索を行ったところ、供述どおりの場所から遺体が発見されたという。

警察ではこの遺体が自動車修理業の男性であるとみて、司法解剖を行うなどして身元の確認を急ぎ、近日中に殺害実行犯の3人を殺人容疑でも再逮捕する方針だ。

《石田真一》

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