気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2002年3月27日付
●自動車業界次々外国人トップ、剛腕の功罪(朝日・11面)
●三菱自動車社長交代、改革タイムオーバー(産経・6面)
●自動車5社とも輸出好調、2月国内販売は振るわず(毎日・8面)
●三菱自動車、トラック分離、子会社化、ダイムラー出資へ検討(読売・2面)
●三菱自動車、部課長級4資格廃止、新人事制度導入へ(読売・10面)
●日経本社調べ2003年度新卒採用調査、勝ち組企業も抑制、ホンダやキヤノン「筋肉質」を維持(日経・15面)
●三菱自動車、34万台リコール、3車種で欠陥、火災8件発生(日経・38面)
ひとくちコメント
三菱自動車工業が資本提携先であるダイムラー・クライスラー出身のロルフ・エクロート副社長の社長昇格を内定した。社長交代に関する報道は、昨日、国内ではNHKの昼のニュースで流れ、各紙も夕刊で報じたが、すでに外国メディアがダイムラー側からの情報をキャッチしたのが発端のようである。
昨年1月に三菱入りした時点で、エクロート氏の社長昇格は時間の問題とみられていたが、国内メーカー11社のなかで、株価を比べても三菱は下から3番目。しかも、今年に入ってから大型とラックの脱輪事故や昨日も34万台に及ぶリコールを実施した。日産のように売却できる資産も少なく、園部孝社長が取り組んできた経営再建も計画どおりの成果が得られていない。このためダイムラー側にも相当の焦りがあったようだ。
今後の再建計画の見直しなどは、きょうの記者会見で明らかになるとみられるが、早くも読売は「トラックを分離、子会社化へ」と報じている。最近、三菱自動車のOBが「ダイムラーの関心はトラック。ウチも雪印のように解体される運命にある」と冗談を飛ばしていたが、冗談ではすまされないかも知れない。