23日午後、大阪市西区内の市営地下鉄中央線九条駅付近で、地下鉄の真上を通る阪神高速大阪港線からブリキ板が落下。これが地下鉄の送電線に接触してショートし、二度に渡って地下鉄がストップするという珍しい事故が起きた。
事故が起きたのは23日の午後3時30分ごろで、大阪市内を東西に走りぬける地下鉄中央線の地上区間で送電が突然ストップし、異常電圧でショートしたことを示す警報が鳴った。このため運転司令室が職員を派遣し、異常があったとされる九条駅西側付近を調査したところ、線路脇の地下鉄用送電線(直流750ボルト)の上に覆いかぶさるように長さ2メートル、幅30センチのブリキ板が落下していた。
原因となる障害物を取り除き、運転を再開したところ、今度は地下鉄の運転士から「建築資材のようなものが線路脇に散乱していて危険」という報告が入り、15分後に再び運転を中止。現場付近を念入りに捜索した結果、先ほど回収したものと同様のブリキ板1枚と、棒状の鉄板2本、木材1本を発見、完全に取り除いた。
現場の真上には阪神高速大阪港線の高架橋があり、ブリキ板などはここから落下したと見られる。しかし、防音壁などの道路施設には何の損害もないことから、大阪府警では現場付近を通りかかったトラックの荷台から強風にあおられて資材が落下したと断定している。直接の容疑は道路交通法違反と列車往来危険罪となるが、容疑車両の特定が困難なため、警察では被疑者不詳のまま送検する方針。