青森県警は19日、交通事故発生から24時間を超えて死亡する“時間外死亡者”が、昨年1年間で21人に達していたことを明らかにした。前年比で10人増加しており、安全技術の発達が即死を減らしたが、その反面でこうした被害者が増えていることを裏付けた。
日本の交通事故の場合、警察が「今年の交通事故死亡者」といった形で発表する際、この人数にカウントしているのは、実は事故から24時間以内に死亡したケースのみで、それを超えた場合には数字上では交通事故死亡者として扱わないという妙な慣習がある。
ここ数年、年末までには9000人を超える交通事故死亡者が発生しているのだが、その数は確実な減少傾向にある。しかし、これは死亡に至る事故そのものが減っているのではなく、クルマに装備された安全装置や、医療技術の発達により「統計に入る24時間以内の死亡を免れ、単にそれを超えて生かされているだけではないのか?」とみる専門家が多かった。そのため、警察庁では1993年以降はこれまでどおりの「24時間以内死亡」と「24時間以上、30日以内死亡」の二つのケースについて、統計調査を進めることになった。
今回、青森県警が発表したのは、昨年12月31日までに発生した交通事故について、2月末日まで追跡調査を行なって把握したものだ。現段階で時間外に死亡したのは21人で、その数は前年よりも10人増加していた。このうち16人は事故後1週間以内、4人が2週間以内、1人が3週間以内に亡くなっている。原因としては脳挫傷など頭部を原因とするのものが中心で、事故後から意識不明のままで…というパターンが多い。
警察では「現状、彼らは交通事故死者としてカウントされないが、こういった痛ましいケースもあることを知ってほしい」とコメントしている。