アメリカで交通調査にあたる非営利団体、TRIP(The Road Information Program)が発表した報告によると、アメリカの都市部の住民は1人当たり年間358ドル(約4万7000円)もの負担を、荒れた路面によって強いられている、という。
調査対象となったのは人口が100万人以上の大都市の道路。それによると、こうした大都市部の主要道路の、実に23%が路面のデコボコや陥没などの問題を抱え、緊急に修復が必要な状況にある、という。しかも27%は緊急修理とまではいかなくても近い将来に修復が必要なコンディションで、合わせて50%もの大都市部の道路がなんらかの問題を抱えている。
こうした路面の問題により、ドライバーがクルマの修理などで負担する金額は年間185億ドル、ドライバー1人あたり358ドルにもなる。しかもブッシュ政権は連邦高速道路基金への予算を2003年に86億ドル削減する方針を発表。それによりほとんどの州が道路修復費用の不足に悩むことになる、という。
特に路面の悪化が問題となっているのはボストン、ニューオリンズ、ロサンゼルス、デトロイト、ニューヨーク、サンノゼ、サンフランシスコ、オクラホマ、サクラメントで、これらの州では今後高速道路の有料化または料金引き上げの必要性に迫られる可能性があるという。