みんながインターネットで投票してみんなで決めるカーオブザイヤー「インターネット・カー・オブ・ザ・イヤー」(通称:iCOTY、アイコティ)は、投票締切りを14日に控えて投票数が伸びつつある。
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先日、その途中経過をお伝えしたが、「『ジャーナリストや評論家の意見を鵜呑みにしてはいないか』……iCOTYの、進行中の結果に対するコメント、非常に不愉快です」と、読者のK(ケイ)さんからEメールをいただいた。
以下メール………………
全ては読者の考えに任せるべではないでしょうか。それが公正な投票のスタイルだと思います。雑誌のジャーナリストや評論家のレポートには、確かに恐ろしくお粗末なものが多々あると感じます。また消費者に任せるべき判断までレポーターの個人的考えを示すなど、メディア、情報として決していいものではないとも思います。
同様に、「ジャーナリストや評論家の意見を鵜呑みにしてはいないか……」というコメントも、読者の判断すべき領域に踏み込んだものだと思います。特に投票という場所においてのコメントであることを考えれば、投票をコントロールしかねない表現ではないでしょうか。
ジャーナリストや評論家の意見が、広く影響していると思うのならば、メディアとして、同じことをすべきではないと思います。ジャーナリスト・評論家の情報についての問題提起は、他の場ですべきではないかと思います。自分で情報をかき集め、自分の意見を持って投票した人は、このようなコメントを出されると侮辱されたような気分になると思いませんか?
私の考えを言わせてもらえば、消費者のクルマを選ぶ本心は環境性能でもなんでもなくて、好みのデザインと財布にやさしい経済性。それが一番だと思います。もちろん『フィット』と『エスティマ』が人気なワケもそれだと思います。
そもそも環境性能を本当に重要だと思う人は、プリウスやましてや図体のでかいエスティマ・ハイブリットなんて買いはしません。公共交通機関と折りたたみ自転車で済ませます。無論、クラウンハイブリットは、エゴの固まり以外の何物にも見えないはずです。
燃費が2倍良くなろうが、有害排出ガス基準の三ツ星を取ろうが、減った分、何倍も乗ってしまえば環境への負荷は同じなわけですから。「プリウスって、2倍燃費がいいんだよね」と聞かれたことがありました。「2倍、乗ろうと思う?」と聞くと、「うん」だそうで……。その程度です。環境性能なんて言ってる人ほど。
自分はフィットを選ばせてもらいました。デザインと経済性、コストパフォーマンスは絶対条件。ヨーロッパには追いついていないものの、安全性への取り組みも懸命であると思いました。環境性能として評価したのは、燃費よりも、自転車が乗るコンパクトカーであること。クルマから電車へ、電車から自転車へ……。トランジット性能を秘めたコンセプトであると考えたからです。
環境性能で大切なのは、ゆく場所によってより効率的な移動手段を選べること。本当に環境負荷を減らそうと思っている人にとっては、フィットは、『スマート』(ダムスラー・クライスラー・グループ)よりも、ずっとスマートなアイデアです。
エスティマ・ハイブリッドにも自転車は乗りますが、これをハイブリッドにしてもコンパクトカーに燃費で勝てることはないわけで。ましてや価格はフィットのはるか上、しかも巨大。日頃から6人も乗せて走る家庭はそうないはず。そういう意味でフィットは革新的な環境性能をコンセプトとして持っているというのが重要なポイントでした。環境性能を徹底的に考えたら、世界的にもフィットほど優れたクルマはないという結論からの投票でした。
でも、環境性能はあくまで「プラス・アルファ」ですが。コストが良いデザインが完成されている……、という絶対条件をクリアした数少ない日本車でなければ、候補には入れませんでしたから。
一部の情報に考えを委ねてしまう人が多いことは、どうにかならないものかと常々考えさせられます。そういう問題を伝えてゆくことは大変でしょうが大切なことです。その努力は応援されるべきことだと思っています。
ただ、その問題提起は投票とは別の場所でやってほしかったのです。もしあの場所にそういう問題を指摘する文章を入れるとすれば「ジャーナリストや評論家の意見に関わりなく、自分で、本当に良いと言える自信のあるものに、投票してください」などの、読者本意のコメントであってほしかったと思ったのです。