進路の信号を全て青に変えろ!! 警察庁が新兵器“FAST”を本格導入

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警察庁は12日、現在は警視庁・葛西警察署管内で一部パトカーを対象にテスト運用している「緊急車両情報通信システム(FAST)」を、来年度には大阪へ本格導入する方針を明らかにした。今回はパトカーだけでなく、救急車や血液輸送車などにも拡大し、即応体制の強化を図る。

FASTは、専用端末を搭載した緊急車両が赤色灯表示を稼動させた状態で通行する際、経路上の信号機を動的に操作し、進路の信号を全て青色表示に変えることで現場到達時間の短縮を狙うというもの。緊急車両は赤信号を徐行通過できるが、交通量の多い交差点などでは停止を強いられることも多く、これが現場到達時間の遅れにつながっていた。

警察庁では2000年度からFASTのテスト運用を行ってきたが、最初に導入された警視庁・葛西署管内では、渋滞の激しい葛西橋通りの平均実走行時間が導入前は8分26秒だったのに対し、導入後にはこれが7分31秒に短縮したという。

大阪市内では4億円の予算をかけ、あべの筋(阿倍野区〜住吉区内の5km区間)にある29カ所の交差点に信号の制御装置を導入。車載端末は大阪府警のパトカー30台と、大阪市消防局の救急車、日本赤十字社の血液輸送車に設置する。

導入される通りの周辺には、警察署2カ所、消防署5カ所、救急指定病院5カ所があり、警察庁では「導入の効果が期待できる」としている。

《石田真一》

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