職務に熱心な警官が起こした不慮の事故---内部処分と起訴猶予で決着

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大分地方検察庁は22日、バイクで走行中の暴走族メンバーに向かって警棒を投げたことが原因で、このメンバーに右足骨折のケガを負わせたとして、特別公務員暴行陵虐致傷の疑いで書類送検された大分県警・大分南警察署の巡査長を起訴猶予処分にしたことを明らかにした。地元の住民2336人が地検に提出した処分軽減の嘆願書なども功を奏し、検察も「職務にあまりに熱心なあまりに発生した不慮の事故」と判断したようだ。

事件が起きたのは今年9月29日の深夜。大分市稙田(わさだ)の住民から「暴走族のバイクがうるさい」という通報を受け、現場に向かった大分南署地域課に属する28歳の巡査長は、その途中で別の暴走族を発見。制止させようとしたが、暴走族のバイクはこれを無視して走り去ろうとしたため、所持していた金属製警棒をエンジン付近に向かって投げつけたところ、運転していた暴走族メンバーの少年の右ひざに命中。少年はそれが原因で転倒し、右足の骨を折るという全治1ヵ月の重傷を負った。

大分県警では10月31日に特別公務員暴行陵虐致傷容疑で書類送検するとともに、この巡査長を戒告処分とした。

検察では独自の取調べを行ったが、この警察官が狙ったのはバイクのエンジンであり、少年の身体でないことや、すでに内部で処分を受けていること。少年側から刑罰を求められていないこと、地元から嘆願書名などが寄せられたことなどを理由に起訴猶予とした。

《石田真一》

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