クルマに設置したまま、持ち運びを考慮しないというカーナビの場合、現在のトレンドしては「大容量メディア使用、精細なイラストで表示可能なマップ、大画面モニター」であることは間違いない。しかし、カーナビの雄、パイオニアからは全く逆を目指すモデルが示された。
「大容量メディアとしてハードディスクを使用!」がウリの最新型ナビをプッシュしているせいなのか、目立たない形で展示しているな…という印象を受けたのが、通信式のカーナビゲーションだ。これは従来のように地図情報を入れたメディアを本体に実装するのではなく、携帯電話と接続して外部サーバーから情報を引き出すというもの。いわゆる「ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)」の概念を採用したもので、常にデータ更新可能な外部サーバーの情報を利用することで、最新のデータを扱うことができる。
地図情報は通信用に最適化したもので、見た目の派手さはないが、必要とされる情報は網羅しているという。本体内には16MBの内蔵メモリーがあり、関東全域の地図を収納することができるという。情報を簡略化してあるので、日本全域でも90MBの容量でカバーしているという。
ただ、ここでも課題となるのが通信インフラ。現在の携帯電話ではダウンロードに途方も無い時間が必要となるし、パケット料金も莫大なものとなる。システムとしては完成しているものの、高速データ通信が可能で、しかも接続料金が格安なインフラの登場を待たなくては市販はできないというのが唯一の欠点だ。