気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2001年5月9日付
●トヨタ、連結経常利益1兆円に、日本企業で最高 (日経・1面)
●小泉首相公約の低公害車、1台3億200万円?(日経・2面)
●日産が新3カ年計画、営業利益6%目標「攻め」に転換(読売・8面)
●自動車保険通販曲がり角、競争激化で撤退相次ぐ(読売・10面)
●マツダ本社工場でフォード小型車生産、稼働率挙げ工場維持(産経・6面)
●4月の輪入車販売2か月ぶり減少(産経・7面)
●4月の国内販売、カローラ独走続く、トヨタ、ホンダが上位独占(毎日・8面)
●低公害車の安定供給早急に、産業経済相、環境相がメーカー側に要請(毎日・9面)
●揺れるフロン回収法案、自、民の調整がカギ、今国会成立は微妙、与党は法案提出へ(毎日・25面)
●三菱自動車、クレーム隠しで罰金40万円、東京簡裁が略式命令(朝日・36面)
●トヨタ、ハイブリット車の生産、今後3年で4倍増に(東京・8面)
ひとくちコメント
きのうは東京新聞がトヨタ系列のアイシンAWが開発したハイブリットシステムをフォードに供給するという“特ダネ”を一面トップで報じたが、きょうは日経が「トヨタ利益1兆円に」という大きな見出しで一面トップ扱い。
トヨタをはじめ自動車関連の話題は尽きないが、小泉新首相までが閣議で「政府の公用車を2004年度までに低公害車に切り替えるように」と指示、これ受けて、きのうは、平沼経済産業相と川口環境相が自工会の奥田会長らと会談し、低公害車の車種拡大や低価格化への取り組みを要請したほど。日経のコラムでも「先の所信表明演説では教育やITについてわずか2、3行しか触れなかったのに対し、環境問題は13行も割き“環境の小泉”をアピールした」とも取り上げられていた。
「環境」イコール「低公害車」と、まるで国家プロジェクトに格上げされたようだが、かつて小渕首相が所信表明演説で、あの「KSD」をしきりにアピールしたことがあった。環境にやさしい「低公害車」が脚光を浴びることは悪い話ではないが、永田町のセンセイが入れ込み過ぎて、痛くない腹を探られなければいいのだが……。