なぜベントレーがルマンに復帰するのがニュースなんですか、とR. T. さんからの質問。初歩的な質問が単刀直入に来た。ひとつにはベントレーボーイズという過去の歴史の再現というロマン、ひとつには業界再編の具体的成果がどのようにあらわれるか、という興味。
ベントレーは現在ロールスロイスと同じメーカーで、兄弟車となっている。どちらかというとロールスロイスが主でベントレーが従、といった印象だ。クルマでいえばロールスロイスとして開発されたものが、若干の仕様変更でベントレーとして販売される、といった形だ。
現在ロールスロイス&ベントレー社はフォルクスワーゲン(VW)傘下にあるが、2003年からロールスロイス・ブランドはBMW傘下になる。ベントレー・ブランドと人員・施設はVWグループに残る。ロールスロイスの“ついで”に売られていたベントレーは単独ブランドとなるので、VWグループはベントレーのイメージ向上に励んでいる、というわけだ。
そこでモータースポーツ、しかも過去の栄光のルマンを利用しようというわけ。2001年ルマン24時間耐久レースに出走予定の『EXPスピード8』は、中身は2000年優勝のアウディ『R8』という陰口もあるが、グループ企業だから、まあ当然だろう。1923年最初にルマンに参加したベントレーである『3.0リッター』と、『EXPスピード8』の主要スペックを比較してみよう。