【シリーズ ランエボVIIの開発者にきく】GDIターボを採用しないだけのパワー&トルク

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【シリーズ ランエボVIIの開発者にきく】GDIターボを採用しないだけのパワー&トルク
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『エボVII』では、噂されていたGDIターボではなく、伝統ある2リッターDOHCターボ「4G63」型がリファインされて搭載された。まずはGDIターボにしなかった理由を、三菱自動車乗用車技術センター・エンジン実験部主任の柳澤 弘さんにきいた。

「このクルマはなんといっても競技用ベース車ですから、勝てるクルマでないといけないわけです。GDIターボよりも4G63型のほうが、これまでの実績がありますし、耐久性の面でも問題がない。それで、4G63型を熟成させることになったわけです」

今回は、ターボのタービン側ノズルの断面積を縮小するという改良が行われている。これはどういう効果があるのだろうか?

「排ガス規制に対応するためと、トルクアップを両立させるためですね。口をすぼめて風車を吹くと、よく回るようになりますよね? タービンノズルの径を小さくしたのは、これと同じ効果を狙ったんです。ただ、あんまり絞りすぎると、中低速域はともかく、かえって上の回転域のトルクが落ちるので、ホントはあまりしたくなかったんですが」と柳澤さん。

「それでも、なぜ絞ったかというと、今回から平成12年度排ガス規制に対応するために、触媒の容量がいっきに2倍になったんです。つまり触媒の排気抵抗がすごく増えたわけですね。それでタービンノズルの径を小さくして、タービンが良く回るようにせざるをえなかった。そのいっぽう、排気抵抗を減らすために、排気系統をストレート化して排圧を下げることで、パワーアップも図っています。その排圧の下げかたと、タービンノズル径の縮小は一種のトレードオフの関係にもあるので、そのへんのセッティングには苦労しましたね」

排気系のストレート化は、新設計のボディを得たことで、これまでトランスミッションを避けるために曲げていた部分をまっすぐにしたり、従来の蛇腹式継ぎ手のかわりに、球面継ぎ手(継ぎ手の上下が、それぞれ凹凸の半球系になっていて、これをスプリングを挟んだボルト・ナットでとめたもの。振動で変形する蛇腹式より効率が良く、これだけで2〜3ps出力が向上するという)を採用する、といった改良によって実現された。さらに、回転数による排圧の変化を利用して、マフラーのタイコの内部のフタを開け閉めすることで排気の回路を変え、高回転域の排気効率を高めた「デュアルモードマフラー」も採用している。

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