ストリームの特徴的なデザインをみてみよう。ヘッドレンズは、トリプルデッカーと呼ばれる3段重ねのコンビネーションタイプで、ロービームをつけると上下が点灯する、従来にないヘッドライトのスタイルだ。さらにエクステンションをブラックアウトした別バージョンは、センターにオレンジのターンレンズを配している。これは素材を複合したハイブリッドな印象で「未来感を強調したかった」(デザイン担当の大沢裕氏)そうだ。そして、なんとも目をひくのはウインドウ・グラフィックスだ。「当初のリアクォーターは本当に小さくて、さすがにインテリア・デザイナーから反対された。そこで実際に作って判断することにして、20人ぐらいでひとりづつ乗って自分の意見を出し合いました。それでできたのがこのカーブなんです。スタイリングができてからも、結局2カ月以上、ルーフの高さやウインドウ・サイズをいじくり回しましたね」流れるようなルーフラインは、エンドでエッジを描く“ドルフィンフォルム”。ルーフまでぐるりとリアウインドウを囲んだテールレンズは、量産車としては世界初のデザインである。ストリームのデザインは「かなり大胆だけど、要素的にはシンプルで力強く」を目指したと大沢さん。サイドビューを生かすために、余計な小細工を排除する一方、際立たせるようなデザインに絞り込んだ。リアビューもそのひとつ。「テールレンズも最初は一般的なデザインだったんですが、サイドが強烈なので負けちゃう。個性を殺しちゃうというかな。でもねぇ、レンズってお金がかかるんですよ。型を作ったり、研磨したり、材料が多かったり。それでも、もうこれしかないと、会社を説得しましてね。ようやくOKがとれたんです」面の構成でボディーを飾りたてるという最近のカースタイリング傾向とは、ストリームは一線を画す。作り手の個性と思い切りのよさという、ホンダらしいスパイスが存分に効いているのだ。
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