日産ディーゼル工業は2002年以降、受注生産方式と部品のモジュール化による生産ラインの簡略化を同時に進め、コストの大幅削減を狙う方針を明らかにした。
中・大型トラックは完成シャシーに対して、架装メーカーが客の注文に応じて荷室部分の製作を行うために納入までに時間が掛かることが多く、納入までの速度を優先する顧客の要望に応じられない場合、他のメーカーに奪われるというケースもあった。
このため、日産ディーゼルでは販売会社での商談が始まった段階から、過去の購入歴などのデータを元に顧客要望を把握し、車両の生産に着手する受注生産方式の採用を検討をすることにした。架装メーカーと共同で製作に入れるため、納入期間をこれまでの半分にできるという。また、ベースとなる車両の製作については、次期モデルから部品のモジュール化を導入し、本ラインでの組み立て工程を減らすことで、この面でも製作日数を削減できるようになる。
受注生産体制の導入と、モジュール化による製作工程の簡略化によって、コスト削減を行うことができるため、普通トラック市場の全体需要が減少傾向にある中でも、必要な収益が確保できるようになると同社はみている。