ロイターが伝えるところによると、アメリカの“メディア王”ルパート・マードック氏のニューズ・コーポレーションと、AT&Tが親会社のリバティ・メディアグループは、自動車メーカー・ビッグスリーのひとつ、GMの買収に動いているという。GMはイタリアのフィアットへの出資を決めたばかりだ。
自動車メーカーはクルマが情報端末になると見て、車載マルチメディア・システムの開発に余念がないが、コンテンツ・プロバイダー、あるいはメディア企業から自動車メーカー買収のアプローチはおそらく初めて。それもニューズ、AT&T、GMとというビッグネームが動いた。
ただしGM広報のトム・コワレスキーは「噂や憶測にはコメントしない」と述べ、ニューズ・コーポレーション広報のアンドリュー・バッチャーは「報道は全く間違っている。我々に何のメリットもない」と語っている。
関係各社の否定にもかかわらず、GMの株価は上昇した。GMグループ傘下のヒューズ・エレクトロニクス社が手がける衛星TV事業(ディレクTV)にニューズとAT&Tが興味を持っている、という観測のが今回の買収話の背景にある。衛星事業の取得後、自動車部門は分社化されるという。ディレクTVの今年の売り上げは5000万ドル(53億円)と予想され、全米で加入者数800万人、国外で100万人がいる。