『GENROQ』1999年12月号、『ROSSO』1999年12月号、『Car Magazine』1999年12月号
S 続いてはエンスー系雑誌です。『GENROQ』と『ROSSO』はどちらも、いわばスーパーカー雑誌ですね。
T 両誌とも今月の目玉はランボルギーニ・ディアブロGTの試乗記ですね。
F 内容は同じようなものですので、ファンの方は両方読めばいんじゃないでしょうか。
S 書いている人もほぼ一緒だし(笑)。
T ただ、写真は『GENROQ』のほうが質が高いですね。。
S 『GENROQ』は、ポルシェ911GT3の日本でのインプレッションと計測をいち早くやっています。0-400m加速12.8秒だって。
M 熊川哲也のインプレッションは最初は新鮮だったけど、最近はちょっとマンネリぎみですね。
S ちなみに『ROSSO』のほうではパンツェッタ・ジローラモによるアルファ166のインプレッションをやってます。
M モーターショー企画としては、『GENROQ』では「スーパーカーはどこで見られるか」というのをやっていますね。『ROSSO』はやってません。
T 『GENROQ』はツェンダー・サーティ7の試乗記も載せてますね。ツェンダー社30周年を記念した、7台目のコンプリートカーというのが名前の由来になっているスポーツカーです。
M それからロータス特集もやってますね。340Rとエリーゼ・スポーツを取り上げてます。これも写真がいい。
T いっぽう『ROSSO』は、アルファ特集も組んでます。166とライバルの比較特集をやったり、ちょっと昔の『NAVI』のようなノリですね。
F 今月号に限っては、『GENROQ』の方が読みごたえがあるかな。来月号以降の『GENROQ』と『ROSSO』の血縁バトルが愉しみですね。
T 『Car Magazine』は編集長が中尾仁氏に代ってから、インタビュー記事が鋭くなりましたね。今月号のジウジアーロとか、大物を次々と取り上げています。ただ、それで喜ぶ読者がどのくらいいるのかなあ。特集は「ジウジアーロが愛したチンクエチェント」なんだけど、そもそもなぜ今チンクエチェントなのか、なぜジウジアーロなのか。
S 趣味の雑誌だから、これでいいんじゃないですか。
T しかも資料的な価値も高いし。
F でも、自分の好きなクルマが出ないと、なかなか買わないひともいるんじゃないですか。
S アウディのストリームライナーの話も詳細に紹介しているのもエンスーです。でも、8月に行なわれたモンタレーやペブルビーチのクラシックカー・フェスティバルの記事がこの号に載るとは、やや遅いですね。
M 新車関係ではユーロ・ホットハッチのベストバイ探しをやっています。
F 1位がプジョー106S16というのは、英国の『AUTOCAR』誌と同じですね、くしくも。
T フランクフルトショーでのピエヒVW会長のルポも面白かったですね。
S 『Car Magazine』は、新車批評には個性的な筆力と分析力のある筆者をそろえているから、好きな人はハマるんでしょうね。
T それにしてもエンスー濃度の高い本ですね。そのわりに素人をバカにした高慢ちきなところはない。それほど専門用語を羅列してないし、普通の人も読める。
M これはエンスーの人の本で、一般的な記事もあるのは現在のクルマについても一応目配りをしておこうという趣旨なんですね。
T ここまで濃い世界を全部理解できるひとは少ないでしょうけど、やっぱりジウジアーロのインタビューは必読でしょう。
座談会メンバー
S:陶山 拓(まとめ)
M:三浦和也(auto-ASCII24)
T:高木 啓(auto-ASCII24)
F:藤田耕治(auto-ASCII24)